こんにちは、スローフードを愛するきょうじゅです。
みなさん、いぶりがっこは好きですか?
いぶりがっこは、 原料の干し大根を囲炉裏の天井につるして、楢や桜等の薪を焚いて燻煙乾燥させてつくる、秋田県の内陸地方に伝わる漬物です。
お酒好きの方なら、いぶりがっこにクリームチームを乗せて食べると、ビールや日本酒がどんどん進んでいきますよね。
実は、野菜を燻して漬け物にする食品は、日本のみならず、世界でも稀少とのことです。
そんないぶりがっこですが、近年、
将来、いぶりがっこの生産農家が減少する可能性がある!?
ことはご存じでしょうか?
今回の記事では、
・「いぶりがっこ」って、そもそも何だっけ?
・伝統ある漬け物が食べられなくなるの?
・私たちは何かできるの?
という方に対して、いぶりがっこの魅力を再認識しながら、今後もいぶりがっこが食べられるのか?についてお伝えします。
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いぶりがっこの由来
秋田弁で燻すを意味する「いぶり」、また漬物のことを「がっこ」と呼ぶことから、この名が付けられました。
いぶりがっこの作り方
いぶりがっこは生の大根を囲炉裏火で燻って乾燥させ、米ぬかや塩、ザラメなどの調味料に漬けこんで作られます。低温で2ヶ月以上かけて発酵熟成させているため、茶色っぽい色をしており、特有の風味があるのが特徴です。
2ヶ月以上も熟成させるため、大変な手間や時間をかけて作られています。
いぶりがっこに使う大根は鮮度が大事で、収穫された翌日の夕方までには燻す工程に入るそうです。
燻す工程では、ナラや桜、ケヤキ、りんごなどの薪を使いますが、使う薪の種類によって風味が変わるのもいぶろがっこの魅力です。
将来、いぶりがっこの生産農家が減る可能性がある?
令和3年6月に改正された食品衛生法が施行されたことで、いぶりがっこは危機に直面しています。
いぶりがっこを販売するためには、保健所の営業許可が必要になりました。
いぶりがっこは、秋田県内の加工業者のほか、小規模な農家でも生産されています。自宅の中の小さな小屋で昔ながらの製法で作っています。
この生産農家が食品衛生法対応に苦慮しています。
例えば、こんな対応が必要になるそうです。
・手洗い場の蛇口:手が触れなくても水を止められる自動センサー式かレバー式に替える必要がある
・壁:水で洗い流せる素材に張り替える必要がある
・住居と作業場を切り離す必要がある
こうした改修費用には100万円以上かかる農家もいるそうです。
高齢な農家の場合は、この投資額は生産継続を躊躇してしまいますよね。
新聞社の調査では、生産農家300人のうち、約4割は今回の法改正への対処は難しいと回答しています。
いぶりがっこを守っていくために私たちができること
食品衛生法の改正は、消費者へ安心・安全な商品を届けるための仕組みづくりの強化です。
競争社会、資本主義の論理では、この手の環境変化に対応できない小規模事業者は淘汰されても仕方がないという見方もあると思います。
でも、淘汰された結果、生き残る事業会社とはファストフード的な効率・大量生産を行う会社のみになってしまう。そうなると、伝統の味は失われ「いつでもどこでも同じ味」になってしまう。
いま、私たち消費者にできることは、この大量生産製品ではなく、
・いぶりがっこのような小規模農家が大切に作っている商品を見つけ出し
・ちゃんとお金を払って購入を続けること
だと思います。
私は、東京の秋田アンテナショップでいぶりがっこを購入しました。
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